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ラヴェル 鏡の難易度・解説

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ラヴェル 鏡の楽曲一覧

ラヴェル作曲の「鏡」は全5曲で構成されます。
それぞれの楽曲に表題がつけられており、題意に従った情景描写を表現、印象主義を特徴を色濃く描いた作品となっています。
作曲時期は「ソナチネ」や「水の戯れ」と同時期の1905年と伝えられていますが、ソナチネのように形式的な型にはまらず、やや自由度が高い構成で書かれています。

曲名 調性 難易度
鏡 第1曲「蛾」 変ニ長調 8(上級)
鏡 第2曲「悲しい鳥たち」 変ホ短調 7(上級)
鏡 第3曲「海原の小舟」 嬰ヘ短調 8(上級)
鏡 第4曲「道化師の朝の歌」 ニ短調 9(上級)
鏡 第5曲「鐘の谷」 嬰ハ短調 7(上級)

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

ラヴェル 鏡の難易度・解説

ラヴェルの鏡の演奏難易度は高く、曲集に含まれる5曲すべてが「上級」ランクに属しています。
高速なパッセージを処理する運指が必要とされるだけでなく、静寂の中に響かせる繊細な情景描写のイメージ等、想像力・表現力の面で高い技術が求められます。



鏡 第1曲「蛾」

この曲の曲想はレオン・ポール・ファルグの詩から得られたものと伝えられています。
詩の内容は「暗い夜に、納屋から飛び去る蛾が梁にとまり、その佇まいが蝶ネクタイの形を表現する」というもの。導入の繊細なパッセージから、静寂の中に羽ばたく夜蛾のイメージを強く印象づけられます。

調性 変ニ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 4:00~5:30
難易度 8(上級)

鏡 第2曲「悲しい鳥たち」

冒頭は高音の単旋律が冷たく響き、低音の重々しい響きが不気味な世界観を強めます。
この曲は、夏の昼下がり、鬱蒼とした森に迷い込んだ黒ツグミの心情を表現していると伝えられています。
中盤に度々挟まれる、高音のパッセージは鳥たちの不安と焦りから来る、叫びのように聞こえます。

調性 変ホ短調
拍子 4/4拍子
演奏時間 3:30~4:30
難易度 7(上級)

鏡 第3曲「海原の小舟」

流麗で煌びやかな導入、大らかで包容力のある音色は大海原の広大さを表現するかのようです。
中盤の激動のパッセージは突如現れる大波を想わせます。後半部にむけて動的で繊細な表現が多用されており、高度な技術が求められます。

調性 嬰ヘ短調
拍子 2/4拍子(6/8拍子)
演奏時間 6:30~7:30
難易度 8(上級)

鏡 第4曲「道化師の朝の歌」

快活で小刻みに跳ねる打鍵、前半の曲想は道化師のコミカルな動きが伺えます。
中盤はスペイン風のリズムに変わり、語りかけるような旋律がしっとりと歌われます。
この曲はラヴェルの鏡の作品の中でも最も人気があり、管弦楽の編曲版も広く親しまれています。

調性 ニ短調
拍子 6/8拍子
演奏時間 6:00~7:00
難易度 9(上級)

鏡 第5曲「鐘の谷」

静寂の中に佇む教会のイメージを表現した曲と伝えられています。
中盤は儚く抒情的な旋律が歌われます、定期的に鳴り響く和音の響きが鐘の音の趣を感じさせます。

調性 嬰ハ短調
拍子 4/4拍子
演奏時間 5:00~6:00
難易度 7(上級)
  • 2024年12月15日、記事内容を更新