ドビュッシー こどもの領分の難易度・解説
こどもの領分 第1曲「グラドゥス アド パルナッスム博士」
こどもの領分 第2曲「象の子守歌」
こどもの領分 第3曲「人形へのセレナーデ」
こどもの領分 第4曲「雪は踊る」
こどもの領分 第5曲「小さな羊飼い」
こどもの領分 第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」
ドビュッシー こどもの領分の楽曲一覧
「子どもの領分」はドビュッシーが娘「クロード・エマ(愛称:シュウシュウ)」のために書き上げた作品です。タイトルの通り、目に映る子供部屋の光景を描いたもので、描写には娘の人形やぬいぐるみたちが演じるメルヘンチックな世界も見られます。全6曲で構成され、各曲にユニークな表題が与えられています。
曲名 | 難易度 |
---|---|
こどもの領分 第1曲「グラドゥス アド パルナッスム博士」 | 6(中級) |
こどもの領分 第2曲「象の子守歌」 | 5(中級) |
こどもの領分 第3曲「人形へのセレナーデ」 | 6(中級) |
こどもの領分 第4曲「雪は踊る」 | 6(中級) |
こどもの領分 第5曲「小さな羊飼い」 | 4(中級) |
こどもの領分 第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」 | 6(中級) |
※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。
ドビュッシーこどもの領分の 難易度・解説
ドビュッシーの「子供の領分」の難易度は全曲が「中級」のランクに属しています。
練習曲風な規則的な音型が並ぶ「グラドゥス アド パルナッスム博士」の難易度は「6(中級)」、
軽快なリズムで愉快な踊りを繰り広げる「ゴリウォーグのケークウォーク」の難易度は「6(中級)」に設定されています。
こどもの領分 第1曲 「グラドゥス アド パルナッスム博士」
表題の「グラドゥス アド パルナッスム」はクレメンティの教則本に収められた「パルナッスム山への階段」を指しています。ピアノの練習を強いられる子供にとって憂鬱で仕方がないこの練習曲に、一層嫌味を重ねるかのように子供たちが煙たがる教師(博士)の文言を添えています。
冒頭の旋律は流麗で一瞬幻想的な世界の広がりを予感させますが、期待は見事に裏切られます。
単調で規則的な指の動きが目立ち、練習曲に悪戦苦闘する子供の様子が目に浮かぶようです。
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:00~2:30 |
難易度 | 6(中級) |
こどもの領分 第2曲 「象の子守歌」
象のぬいぐるみである「ジンボー」にシュウシュウが子守歌を歌い、一緒に眠りにつく様子を描いています。
のっそりと象の歩みを想わせる伴奏に、穏やかな子守歌の旋律が鳴り響きます。ややアクティブな中間部の後改めて子守歌が歌われ、最終小節は子守歌が途切れるような形で終止符が打たれます。
拍子 | 2/2拍子 |
---|---|
演奏時間 | 3:20~4:00 |
難易度 | 5(中級) |
こどもの領分 第3曲 「人形へのセレナーデ」
ギター・マンドリンを想わせる伴奏の上で歌うスペイン風セレナーデ、スタッカートとアルペジオを巧みに組み合わせながら軽やかな響きを見せます。
恋人のために唄われるセレナーデ、これは人形を愛でるシュウシュウの無邪気な愛情を表現したものだろうか。
拍子 | 3/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:20~3:00 |
難易度 | 6(中級) |
こどもの領分 第4曲 「雪は踊る」
窓辺にてしんしんと降り積もる雪の様子を眺める、シュウシュウの描写が描かれています。
16分音符で分割される上向音型、繊細な音色は舞い散る雪の結晶を想わせ神秘的な世界を映し出します。
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:10~3:00 |
難易度 | 6(中級) |
こどもの領分 第5曲 「小さな羊飼い」
羊飼いとはシュウシュウのお気に入りのガラス人形のこと、
冒頭羊飼いが吹く笛の音は冷たく響きますが、後に東洋的なフレーズを挟みながら、温かく牧歌的な情景を映し出します。
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:10~2:50 |
難易度 | 4(中級) |
こどもの領分 第6曲 「ゴリウォーグのケークウォーク」
ケークウォークとはブラックミュージックの起源とする2拍子のダンス、
シュウシュウの人形のゴリウォークがこのユーモア溢れるダンスを陽気に踊る様子が描かれています。
中間部にはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の一節が取り込まれています。
拍子 | 2/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:30~3:10 |
難易度 | 6(中級) |
- 2025年1月9日、記事内容を更新