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バッハ フランス組曲の難易度・解説

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バッハ フランス組曲の楽曲一覧

フランス組曲は、18世紀にバッハが作曲したクラヴィーア用組曲、全6曲で構成されます。
第1番~第3番が短調、第4番~第6番が長調で書かれ、前半3曲はやや真面目で厳格な雰囲気、後半3曲は温和で軽やかな性格を持っています。どの曲も趣があり優雅さに満ちています。これらの曲の一部はバッハの2番目の妻アンナ・マグダレーナに向けてに書かれたと考えられています。

曲名 調性 作品番号 難易度
フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV.812 5(中級)
フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV.813 5(中級)
フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV.814 5(中級)
フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV.815 5(中級)
フランス組曲 第5番 ト長調 BWV.816 6(中級)
フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV.817 5(中級)

※1:難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

バッハ フランス組曲の難易度・解説

バッハのフランス組曲の難易度は「5~6(中級)」に分類されます。
急速な運指や強烈なタッチを伴う激情的な表現力は求められませんが、2声・3声の対位法による音型を理解したうえで的確に鍵盤をなぞる技術が求められます。



フランス組曲 第1番 BWV.812

全体的に気品があり、典雅な旋律が印象的、
アルマンドは流麗かつ高雅な雰囲気、続くクーラントはアルマンドの主題を引き継ぎながら美しく鳴り響きます。サラバンドはゆっくり和声的な響きと共に感傷的な世界観を映し、メヌエットはやや牧歌的に田園風景を連想させます。最後のジーグは対位法を活かしながら、鋭い付点のリズムで進行します。

調性 ニ短調
拍子 4/4拍子(アルマンド)
3/2拍子(クーラント)
3/4拍子(サラバンド)
3/4拍子(メヌエット1,2)
2/2拍子(ジーグ)
目安演奏時間 12:00~17:00
難易度 5(中級)

フランス組曲 第2番 BWV.813

アルマンドは緩やかにしっとり歌う優美な雰囲気、クーラントは8分音符で対立させた2声が活発に進行、サラバンドは和声的でゆっくりとした旋律が流麗に鳴り響きます。エールはゆっくりと歌唱的で、小さな音色にはどこか可憐さを感じさせます。和声的かつ滑らかな動きのメヌエットを経て、最後はイタリア様式で書かれた軽やかなジーグで曲を閉じます。

調性 ハ短調
拍子 4/4拍子(アルマンド)
3/4拍子(クーラント)
3/4拍子(サラバンド)
2/2拍子(エール/エア)
3/4拍子(メヌエット)
3/8拍子(ジーグ)
目安演奏時間 10:00~14:30
難易度 5(中級)

フランス組曲 第3番 BWV.814

アルマンドは2声の模倣対位法で書かれ幻想的かつ感傷的、クーラントは躍動的ではあるがどこか冷徹な印象が感じらます。サラバンドは滑らかな旋律が響き情緒的、アレグレースは速度を上げ溌剌と迷いなく進行します。最終章の前に和声的な第1&第2メヌエットが置かれますが、このメヌエットはアレグレースの前に演奏される場合があります。最後は2声で響く滑らかなジーグで終局を迎えます。

調性 ロ短調
拍子 4/4拍子(アルマンド)
6/4拍子(クーラント)
3/4拍子(サラバンド)
2/2拍子(アングレーズ)
3/4拍子(メヌエット・トリオ)
3/8拍子(ジーグ)
目安演奏時間 14:00~17:00
難易度 5(中級)

フランス組曲 第4番 BWV.815

明るい性格を持つ組曲、アルマンドは3声で書かれ即興的な一面を持ちます。クーラントは右手の3連符の音型で躍動的に進行し、サラバンドはゆったりと表情豊かに響きます。その後、明るい性格を持ったガヴォットとメヌエットが置かれますが、この二つの配置は出版タイプにより前後します。エールは対位法を用い、主題を転回しながら足早に奏でられます。最後のジーグは軽快に進み、晴れ晴れとした雰囲気で曲を閉じます。

調性 変ホ長調
拍子 4/4拍子(アルマンド)
3/4拍子(クーラント)
3/4拍子(サラバンド)
2/2拍子(ガヴォット)
3/4拍子(メヌエット)
4/4拍子(エール)
6/8拍子(ジーグ)
目安演奏時間 12:00~16:30
難易度 5(中級)

フランス組曲 第5番 BWV.816

アルマンドは落ち着きがあり優雅、クーラントは活発でリズミカルな性格を持っています。サラバンドには装飾音が散りばめられ、煌びやかな旋律がゆっくりと響き渡ります。ガヴォットとブーレは共に軽快なリズムで、幸福感溢れる明るい情景が感じ取れます。ゆったりと滑らかなルールの後、ジーグは3声で書かれ心地よいリズムで終局に向かいます。

調性 ト長調
拍子 4/4拍子(アルマンド)
3/4拍子(クーラント)
3/4拍子(サラバンド)
2/2拍子(ガヴォット)
2/2拍子(ブーレ―)
6/4拍子(ルール)
12/16拍子(ジーグ)
目安演奏時間 16:00~19:00
難易度 6(中級)

フランス組曲 第6番 BWV.817

アルマンドは明快で練習曲風な要素も持ち合わせています。クーラントは軽やかで下降する音階風な主題が特徴、サラバンドではガラリと印象を変え、気品を持った厳かな世界が広がります。
後に続くガヴォットとポロネーズは短いながらも軽快で可憐な性格を持ち、後半は2声で書かれたブーレと短いメヌエットを経て、最後は対位法を活かした優美なジーグで曲を締めくくります。

調性 ホ長調
拍子 4/4拍子(アルマンド)
3/4拍子(クーラント)
3/4拍子(サラバンド)
2/2拍子(ガヴォット)
3/4拍子(ポロネーズ)
2/2拍子(ブーレー)
3/4拍子(メヌエット)
6/8拍子(ジーグ)
目安演奏時間 14:30~17:00
難易度 5(中級)
  • 2024年10月16日、記事内容を更新