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シューマン「トロイメライ」子供の情景の難易度・解説

シューマン 子供の情景 top_000

シューマン 子供の情景 楽曲一覧

シューマンの「子供の情景」は全13曲で成り立つ小品集。
これらは大人から見た子供世界、幼少の日々を回想して描かれた作品です。
短い楽曲でまとめられ、愛らしくどこか子供の姿・表情を想わせる特徴を持っています。
シューマンの有名曲「トロイメライ」はこの曲集の第7曲に収録されています。



曲名 調性 作品番号 難易度
子供の情景 第1曲「見知らぬ国と人々について」 ト長調 Op.15-1 4(中級)
子供の情景 第2曲「不思議なお話」 ニ長調 Op.15-2 4(中級)
子供の情景 第3曲「鬼ごっこ」 ロ短調 Op.15-3 5(中級)
子供の情景 第4曲「おねだり」 ニ長調 Op.15-4 4(中級)
子供の情景 第5曲「十分に幸せ」 ニ長調 Op.15-5 5(中級)
子供の情景 第6曲「重大な出来事」 イ長調 Op.15-6 4(中級)
子供の情景 第7曲「トロイメライ」 ヘ長調 Op.15-7 5(中級)
子供の情景 第8曲「暖炉のそばで」 ヘ長調 Op.15-8 5(中級)
子供の情景 第9曲「木馬の騎士」 ハ長調 Op.15-9 5(中級)
子供の情景 第10曲「むきになって」 嬰ト短調 Op.15-10 5(中級)
子供の情景 第11曲「怖がらせ」 ホ短調 Op.15-11 5(中級)
子供の情景 第12曲「眠りに入る子供」 ホ短調 Op.15-12 5(中級)
子供の情景 第13曲「詩人は語る」 ト短調 Op.15-13 4(中級)

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

シューマン 子供の情景の難易度・解説

シューマンの子供の情景は難しい技巧が少なく、初心者~中級者でも取り組みやすい楽曲となっています。
人気曲「トロイメライ」も難易度は「5(中級)」に位置しており、基本的な運指とソフトなタッチが操れれば着手可能な曲となっています。
ただし情景描写に優れたこの楽曲は、高い表現力が求められます。単純に譜面の音符を追いかけるだけではなく、いかに温かみと幸福感を音色に乗せられるかがポイントとなってきます。



子供の情景 第1曲「見知らぬ国と人々について」

2/4拍子、3部形式
子供が抱く、純粋な異国への興味・憧れの気持ちを歌っています。
中間部で響く低音の伴奏が、見知らぬ世界に抱く不安な気持ちを表現しているようです。

調性 ト長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 1:30~1:50
難易度 4(中級)

子供の情景 第2曲「不思議なお話」

舞曲のような快活な導入、リズミカルな9小節の題材を反復した後、滑らかなレガートの旋律が鳴り響きます。2つの対比が印象的な楽曲です。

調性 ニ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 1:00~1:20
難易度 4(中級)

子供の情景 第3曲「鬼ごっこ」

無邪気に遊ぶ子供の姿を想像させる活発な曲、スタッカートを添えた16分音符が走り回るように往復します。

調性 ロ短調
拍子 2/4拍子
演奏時間 0:30~0:40
難易度 5(中級)

子供の情景 第4曲「おねだり」

第1曲「不思議なお話」の主題を思い起こさせる楽曲。第1曲と比べると旋律により重みがあり説得力を感じます。

調性 ニ長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 0:50~1:10
難易度 4(中級)

子供の情景 第5曲「十分に幸せ」

ご機嫌で喜びに満ちた子供の表情が浮かびます。温かさと爽快感を合わせ持った、心地よい楽曲です。

調性 ニ長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 0:50~1:10
難易度 5(中級)

子供の情景 第6曲「重大な出来事」

3/4拍子に付点が添えられて進行する楽曲、和音の高鳴りとフォルティッシモの響きが、揺さぶられる子供の感情を表しているように聴こえます。

調性 イ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 0:50~1:10
難易度 4(中級)

子供の情景 第7曲「トロイメライ」

甘く夢見るような旋律が印象的、わずか4小節で歌われるフレーズが8回繰り返されるシンプルな楽曲。
心の奥底に響き渡る音色は、夢の中に誘い込み、安らかな休息の時間を与えてくれます。

調性 ヘ長調
拍子 4/4拍子
演奏時間 2:30~3:00
難易度 5(中級)

子供の情景 第8曲「暖炉のそばで」

柔らかな旋律に、家族の団欒のような温かみある曲調、
ピアノからメゾフォルテへなだらかな起伏を与えながら進行します。

調性 ヘ長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 0:50~1:10
難易度 5(中級)

子供の情景 第9曲「木馬の騎士」

シンコペーションを活かしたリズミカルな曲、3/4拍子で軽快に進む曲は、おもちゃの兵隊が木馬に乗って軽快に駆け回るかのようです。

調性 ハ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 0:30~0:40
難易度 5(中級)

子供の情景 第10曲「むきになって」

やや沈んだゆったりとした旋律が響き渡ります。原譜に記載によると「真面目さ」「真剣さ」の意味合いが込められており、子供が一つの物事に集中するひたむきな様子を表現しているように思えます。
第9曲と同様にシンコペーションに重点を置いた楽曲です。

調性 嬰ト短調
拍子 2/8拍子
演奏時間 1:30~1:50
難易度 5(中級)

子供の情景 第11曲「怖がらせ」

夢の中でまどろむような旋律と、急発進したような突発的な旋律が交錯する曲。
「A⇒B⇒A⇒C⇒B⇒A」の構成で進行します。

調性 ホ短調
拍子 2/4拍子
演奏時間 1:30~1:50
難易度 5(中級)

子供の情景 第12曲「眠りに入る子供」

静寂の中に響く穏やかな導入、中間部は温かく陽だまりに包み込まれたような優しさ、最後は冒頭の旋律と共にゆっくりと曲を閉じます。

調性 ホ短調
拍子 2/4拍子
演奏時間 1:20~1:50
難易度 5(中級)

子供の情景 第13曲「詩人は語る」

穏やかに響く旋律はどこか神秘的な印象を感じ、前曲までの子供の世界とは異なる性質が見て取れます。
タイトルの詩人は「シューマン」を指しているという説が有力で、シューマンの妻クララ自身もこの詩人とシューマンを重ね合わせて曲を解釈しています。

調性 ト短調
拍子 4/4拍子
演奏時間 2:00~2:30
難易度 4(中級)
  • 2024年9月3日、記事内容を更新