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シューベルト 「楽興の時」の難易度・解説

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シューベルト 楽興の時 Op.94(D.780)の楽曲一覧

シューベルトの「楽興の時」は全6曲で構成される小曲集、作曲時期は1823年以降と考えられており、晩年の1828年に出版されています。
楽興の時はコンサート用ではなく、サロン用として書かれた楽曲ですが、規模は小さいながらも即興性に満ち多彩な表情を見せる、味わい深い作品に仕上がっています。

曲名 調性 作品番号 難易度
楽興の時 第1番 ハ長調 Op.94-1 6(中級)
楽興の時 第2番 変イ長調 Op.94-2 5(中級)
楽興の時 第3番 ヘ短調 Op.94-3 5(中級)
楽興の時 第4番 嬰ハ短調 Op.94-4 5(中級)
楽興の時 第5番 ヘ短調 Op.94-5 6(中級)
楽興の時 第6番 変イ長調 Op.94-6 5(中級)

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

シューベルト 楽興の時 Op.94(D.780)の難易度・解説

シューベルトの「楽興の時」に収録された楽曲の難易度は全て「中級」に属しており、
第2番、第3番、第4番、第6番が「5(中級)」、第1番、第5番が「6(中級)」のランクに分類されています。



楽興の時 第1番 Op.94-1

モデラート、3/4拍子
陽気でどことなくイタズラ心を秘めた旋律は反復しながら奏され、後に抒情的で温かな音色の中間部に移ります。再現部では忠実に冒頭の主題を表現して、穏やかに曲を締めくくります。

調性 ハ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 4:50~6:10
難易度 6(中級)

楽興の時 第2番 Op.94-2

アンダンティーノ、9/8拍子、「A-B-A-B’-A」の形式で進行します。
静寂の中で響く美しい和声が印象的、穏やかな世界観で始まる主題(A)の後、抒情的な主題(B)を置き心を沈ませます。この主題(B)の音型は曲中で再度奏されますが、抒情性を欠く情熱的な表情で現れ、冒頭から続く静寂の世界観を一変させます。

調性 変イ長調
拍子 9/8拍子
演奏時間 5:10~6:50
難易度 5(中級)

楽興の時 第3番 Op.94-3

アレグロ・モデラート、2/4拍子
軽快に飛び跳ねる小動物のじゃれ合いを想わせるような愛くるしいメロディが印象的、2つの主題が変容させながら進み、最後には短いコーダで曲を閉じます。

調性 ヘ短調
拍子 2/4拍子
演奏時間 1:50~2:10
難易度 5(中級)

楽興の時 第4番 Op.94-4

モデラート、2/4拍子
3部形式で書かれたこの曲は、幻想的な音色に包まれながら、どことなく焦りと不安の気持ちを秘めています。その不安な表情は呈示部の旋律はだけでなく、中間部の晴れやかな旋律の後に連なる低音部の音型からも感じ取れます。

調性 嬰ハ短調
拍子 2/4拍子
演奏時間 4:10~6:00
難易度 5(中級)

楽興の時 第5番 Op.94-5

アレグロ・ヴィヴァーチェ、2/4拍子
冒頭、烈火のごとく力強い和音が鳴り響き、激しく勇猛な主題が繰り広げられます。
曲全体が力漲る和音重音で覆われていますが、中間部は単音を用いて束の間穏やかな表情を見せます。

調性 ヘ短調
拍子 2/4拍子
演奏時間 1:40~2:50
難易度 6(中級)

楽興の時 第6番 Op.94-6

アレグレット、3/4拍子
重厚な和声で組み立てられたコラール的な音色は、澄み切った教会の情景を想わせます。中間部には主題を元とした穏やかな音型が添えられており、曲全体が優しく落ち着いた雰囲気に包まれています。

調性 変イ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 6:00~8:00
難易度 5(中級)
  • 2024年12月30日、記事内容を更新