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リスト 演奏会用練習曲「ため息・小人の踊り・軽やかさ・他」の難易度・解説

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リスト 演奏会用練習曲の楽曲一覧

リストの楽曲には「演奏会用練習曲」の名目で親しまれる2種類の練習曲集が存在します。
1つはリストが30代の時期にあたる1848年に作曲された「3つの演奏会用練習曲」、もう一つはリストが50代の1862年~1863年に作曲された「2つの演奏会用練習曲」、前者はリストの義弟でありオルガニストのエードゥアルトのために、後者は愛弟子のプルックナーのために作曲されたと伝えられています。
収録された楽曲にはそれぞれ表題が付けられており、リストの練習曲として有名な「ため息」は3つの演奏会用練習曲の第3番に収録されています。

【3つの演奏会用練習曲 S.144】

曲名 調性 難易度
3つの演奏会用練習曲 第1番「悲しみ」 変イ長調 7(上級)
3つの演奏会用練習曲 第2番「軽やかさ」 変ニ長調 8(上級)
3つの演奏会用練習曲 第3番「ため息」 変ニ長調 8(上級)

【2つの演奏会用練習曲 S.145】

曲名 調性 難易度
2つの演奏会用練習曲 第1番「森のささやき」 変ニ長調 7(上級)
2つの演奏会用練習曲 第2番「小人の踊り」 嬰ヘ短調 7(上級)

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

リスト 3つの演奏会用練習曲の難易度・解説

リストの「3つの演奏会用練習曲」の難易度は3曲すべてが上級ランクに属しています。
リストの練習曲の中でも人気の高い「ため息」の難易度は「8(上級)」に分類されています。



3つの演奏会用練習曲 第1番「悲しみ」

アレグロ・カンタービレ、4/4拍子
下降和音で鳴り響く堂々たる導入、力強い音色は次第に甘美な旋律を奏で、冒頭のフレーズを元に煌びやかな変奏が展開されます。

調性 変イ長調
拍子 4/4拍子
目安演奏時間 9:00~11:00
難易度 7(上級)

3つの演奏会用練習曲 第2番「軽やかさ」

クアジ・アレグレット、3/4拍子
ゆっくりと鳴り響く三連符の旋律は冷たく妖艶な世界観を表現、この旋律はオクターブの音色へ変わりひと時ピークを迎えます。その後、右手で奏でられる半音階的なフレーズは疾風のように駆け巡りながら自由な変奏を見せます。

調性 変ニ長調
拍子 3/4拍子
目安演奏時間 4:30~5:30
難易度 8(上級)

3つの演奏会用練習曲 第3番「ため息」

アレグロ・アフェットゥオーソ、4/4拍子
左右で奏でられる流麗なアルペジオの伴奏に溶け込みながら甘美な旋律が歌われます。
温かみある音色は徐々に激しさを増し、劇的な転調が繰り返されます。高まった情熱はプレストによる下行音階により静まり、ゆっくりと情緒溢れる世界に回帰します。

調性 変ニ長調
拍子 4/4拍子
目安演奏時間 5:20~6:10
難易度 8(上級)

リスト 2つの演奏会用練習曲の難易度・解説

リストの「2つの演奏会用練習曲」に収録されている「森のささやき」「小人の踊り」の演奏難易度は高く「7(上級)」ランクに分類されています。



2つの演奏会用練習曲 第1番「森のささやき」

ヴィヴァーチェ、4/4拍子
風になびく木の葉を連想させる軽やかな伴奏が印象的、冒頭の主題は左手で奏でられ、後に右手のオクターブ演奏に旋律を譲ります。左右で主旋律を交差しながら進行し、中盤は暴風が吹き荒れるかのように差し迫った情景が映し出されます。終局は冒頭の穏やかな世界観を取り戻し静かに曲を閉じます。

調性 変ニ長調
拍子 4/4拍子
目安演奏時間 4:00~4:50
難易度 7(上級)

2つの演奏会用練習曲 第2番「小人の踊り」

プレスト・スケルツァンド、6/8拍子
スタッカートと装飾による細かな動きが特徴、リズムと調性の変化が激しく、表題が示す通り小人が慌ただしく踊り回る様子が伺えます。

調性 嬰ヘ短調
拍子 6/8拍子
目安演奏時間 2:50~3:40
難易度 7(上級)
  • 2024年12月21日、記事内容を更新