リスト コンソレーションの楽曲一覧

リスト作曲のコンソレーションは全6曲で構成されています。
コンソレーションの楽譜は、リストの楽曲に多く見られる技巧的で華麗な特徴は少なく、穏やかで情緒豊かな性格が色濃く出ています。

コンソレーションの作曲年については多くの説があり、明確な作曲年の特定には至っていません。
この曲はヴィトゲンシュタイン侯爵夫人のカロリーネと恋に落ちたリストが、二人幸せな日々を送る中で筆を執ったと伝えられていますが、カロリーネと出会いは、1847年リストがロシアへの演奏旅行に向かった時と考えられており、このエピソードが正しい場合、この曲は1847年以降に書かれたことになります。
しかし、コンソレーション第5番の自筆譜に記された日付には1844年1月と残されており、現存譜と伝記の間で齟齬が見られます。

曲名	調性	作品番号	難易度
コンソレーション 第1番	ホ長調	S.172-1	4（中級）
コンソレーション 第2番	ホ長調	S.172-2	5（中級）
コンソレーション 第3番	変ニ長調	S.172-3	5（中級）
コンソレーション 第4番	変ニ長調	S.172-4	5（中級）
コンソレーション 第5番	ホ長調	S.172-5	5（中級）
コンソレーション 第6番	嬰ハ短調	S.172-6	6（中級）

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

リスト コンソレーションの難易度・解説

リスト作曲のコンソレーションの演奏難易度は6曲すべて中級のランクに属しています。
中でも人気高いコンソレーション第3番は「5（中級）」に分類されています。

コンソレーション 第1番

アンダンテ・コン・モート、4/4拍子
心休まる柔らかな音色、上行音型の旋律を反復しながらゆったりと歌われます。曲の規模は小さく、25小節でまとめられた短い小品として扱われます。

コンソレーション 第2番

ウン・ポコ・ピウ・モッソ、4/4拍子
冒頭、上下に往復する簡素なフレーズから始まり、このフレーズが幾度と形を変え奏されます。
前向きなリズムで進行する主題は、やや陰った短い中間部を挟み、即座に再現されます。最後はピアニッシモによる和音で途切れるように曲を閉じます。

コンソレーション 第3番

レント・プラチド、4/4拍子
ゆったりと滑らかな伴奏に、物静かで情緒溢れる旋律が溶け込みます。
この美しい旋律はオクターブと和音へ輝きを強めながら繰り返され、終始哀愁を帯びた世界観を表現し続けます。

コンソレーション 第4番

クアジ・アダージョ、4/4拍子
宗教的な調べが色濃く表された楽曲、ゆっくり語り掛けるような旋律は徐々に哀願の念を強め、深く沈む低音の響きに支えられながら鳴り響きます。

コンソレーション 第5番

アンダンティーノ、3/4拍子
大らかで歌唱的な旋律が印象的、ゆったりとしたリズムに乗って奏でられる音色は、温かく包みこむような性格を持っています。

コンソレーション 第6番

アレグレット・センプレ・カンタービレ、3/8拍子
第1番～第5番のコンソレーションとは異なる性格を持つ楽曲、
抒情的でゆったりとしたリズムの第1番～第5番とは対照的でリズミカルで飛躍的な音型が目立ちます。
また高速で細かなパッセージを持つなど、リストらしい華麗でダイナミックな技巧が散りばめられている点も印象的です。

• 2024年12月22日、記事内容を更新