リスト 巡礼の年 第1年「スイス」の難易度・解説
第1曲「ウィリアム・テルの聖堂」
第2曲「ヴァレンシュタットの湖」
第3曲「パストラール」
第4曲「泉のほとりで」
第5曲「嵐」
第6曲「オーベルマンの谷」
第7曲「エグローグ」
第8曲「郷愁」
第9曲「ジュネーヴの鐘」
リスト 巡礼の年 第2年「イタリア」の難易度・解説
第1曲「婚礼」
第2曲「物思いに沈む人」
第3曲「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」
第4曲「ペトラルカのソネット第47番」
第5曲「ペトラルカのソネット第104番」
第6曲「ペトラルカのソネット第123番」
第7曲「ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲)」
リスト 巡礼の年 第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」の難易度・解説
第1曲「ゴンドラを漕ぐ女」
第2曲「カンツォーネ」
第3曲「タランテラ」
リスト 巡礼の年 第3年の難易度・解説
第1曲「アンジェラス」
第2曲「エステ荘の緑杉(第1)」
第3曲「エステ荘の緑杉(第2)」
第4曲「エステ荘の噴水」
第5曲「スント・ラクリマエ・レルム」
第6曲「葬送行進曲」
第7曲「スルスム・コルダ」
リスト 巡礼の年 楽曲一覧
巡礼の年の名で出版されたこの曲集は4つの作品に分けられており、第1年~第3年と年次的な区分が設けられています。
第1年は「スイス」の表題が記載されており、リストとダグー伯爵夫人マリーのスイスにおける生活の中で目にした風物を一つの音楽として表現しています。
第2年には「イタリア」の表題が添えられ、二人で巡った旅先イタリアでの情景と芸術・文学に関する印象を各譜面に落とし込んでいます。
第3年は表題が設けられておらず、前項と比べるとやや異色な曲集、リストの想い出に寄り添った曲集というよりかは、断片的な要素が強く滲み出ています。しかし曲集の中には「エステ荘の噴水」など洗練された風景美を描いたリストの傑作が収録され、現代でも有名な曲集の一つとして知られています。
【巡礼の年 第1年「スイス」S.160】
曲番号 | 表題 | 難易度 |
---|---|---|
第1曲 | ウィリアム・テルの聖堂 | 7(上級) |
第2曲 | ヴァレンシュタットの湖 | 6(中級) |
第3曲 | パストラール | 6(中級) |
第4曲 | 泉のほとりで | 7(上級) |
第5曲 | 嵐 | 8(上級) |
第6曲 | オーベルマンの谷 | 8(上級) |
第7曲 | エグローグ | 6(中級) |
第8曲 | 郷愁 | 6(中級) |
第9曲 | ジュネーヴの鐘 | 7(上級) |
【巡礼の年 第2年「イタリア」S.161】
曲番号 | 表題 | 難易度 |
---|---|---|
第1曲 | 婚礼 | 6(中級) |
第2曲 | 物思いに沈む人 | 5(中級) |
第3曲 | サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ | 6(中級) |
第4曲 | ペトラルカのソネット第47番 | 6(中級) |
第5曲 | ペトラルカのソネット第104番 | 7(上級) |
第6曲 | ペトラルカのソネット第123番 | 6(中級) |
第7曲 | ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲) | 9(上級) |
【巡礼の年 第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」S.162】
曲集名 | タイトル | 難易度 |
---|---|---|
第1曲 | ゴンドラを漕ぐ女 | 7(上級) |
第2曲 | カンツォーネ | 6(中級) |
第3曲 | タランテラ | 8(上級) |
【巡礼の年 第3年 S.163】
曲集名 | タイトル | 難易度 |
---|---|---|
第1曲 | アンジェラス | 4(中級) |
第2曲 | エステ荘の緑杉(第1) | 6(中級) |
第3曲 | エステ荘の緑杉(第2) | 6(中級) |
第4曲 | エステ荘の噴水 | 7(上級) |
第5曲 | スント・ラクリマエ・レルム | 6(中級) |
第6曲 | 葬送行進曲 | 5(中級) |
第7曲 | スルスム・コルダ | 6(中級) |
※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。
リスト 巡礼の年 第1年「スイス」の難易度・解説
巡礼の年 第1年「スイス」に収録された9曲は「中級~上級」の難易度に属しています。
曲集の中でも人気が高い「泉のほとりで」は「7(上級)」の難易度に設定、リストらしい流麗で煌びやかな表現が込められ、極めて技巧的な作品として扱われます。
第1曲「ウィリアム・テルの聖堂」
レント、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
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演奏時間 | 6:10~7:20 |
難易度 | 7(上級) |
第2曲「ヴァレンシュタットの湖」
アンダンテ・プラーチド、3/8拍子
拍子 | 3/8拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:40~3:30 |
難易度 | 6(中級) |
第3曲「パストラール」
ヴィヴァーチェ、12/8拍子
拍子 | 12/8拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:00~3:00 |
難易度 | 6(中級) |
第4曲「泉のほとりで」
アレグレット・グラツィオーソ、12/8拍子
拍子 | 12/8拍子 |
---|---|
演奏時間 | 3:40~4:40 |
難易度 | 7(上級) |
第5曲「嵐」
アレグロ・モルト、2/2拍子
拍子 | 2/2拍子 |
---|---|
演奏時間 | 4:50~5:20 |
難易度 | 8(上級) |
第6曲「オーベルマンの谷」
レント・アッサイ、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 12:40~15:10 |
難易度 | 8(上級) |
第7曲「エグローグ」
アレグレット・コン・モート、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 3:20~3:50 |
難易度 | 6(中級) |
第8曲「郷愁」
レント、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 5:30~6:00 |
難易度 | 6(中級) |
第9曲「ジュネーヴの鐘」
クアジ・アレグレット、6/8拍子
拍子 | 6/8拍子 |
---|---|
演奏時間 | 5:30~6:30 |
難易度 | 7(上級) |
リスト 巡礼の年 第2年「イタリア」の難易度・解説
巡礼の年 第2年「イタリア」収録曲の難易度は大半が「中級」ランクに属していますが、「ペトラルカのソネット第104番」「ダンテを読んで」の2曲のみ「上級」の難易度に分類されています。特に「ダンテを読んで」の譜面は長大なもので、弾きこなすためには腕の持久力と高度な技巧の処理が求められます。難易度は最高ランクの「9(上級)」に設定されています。
第1曲「婚礼」
アンダンテ、6/4拍子
拍子 | 6/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 6:40~7:30 |
難易度 | 6(中級) |
第2曲「物思いに沈む人」
レント、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 3:40~5:10 |
難易度 | 5(中級) |
第3曲「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」
アンダンテ・マルツィアーレ、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 2:50~3:20 |
難易度 | 6(中級) |
第4曲「ペトラルカのソネット第47番」
プレリューディオ・コン・モルト、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 5:30~6:10 |
難易度 | 6(中級) |
第5曲「ペトラルカのソネット第104番」
アジタート・アッサイ、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 5:10~6:30 |
難易度 | 7(上級) |
第6曲「ペトラルカのソネット第123番」
レント・プラーチド、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 5:40~6:50 |
難易度 | 6(中級) |
第7曲「ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲)」
アンダンテ・マエストーソ、4/4拍子
イタリア文学の代表作である、ダンテの「神曲」から霊感を得た作品と伝えられています。
唸り声を連想させる重低音の音型は、「苦しみ」「憎しみ」「嘆き」といった負の感情が渦巻く世界観を表現、
激しく変化するテンポと脅迫的な表現は、神曲 第1部「地獄編」の影響を受けていることが想像できます。
曲の半ば、一時の落ち着きを見せ、夢幻的な旋律が奏でられますが、これは神曲に登場する「フランチェスカ・ダ・リミニ」の愛の情景を描いているものと考えられます。
拍子 | 4/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 14:00~17:00 |
難易度 | 9(上級) |
リスト 巡礼の年 第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」の難易度・解説
巡礼の年 第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」の楽曲は「中級~上級」の難易度に属しています。
荒々しい舞いを繰り広げながらも、優美な旋律を奏でる「タランテラ」は「8(上級)」の難易度に分類されています。
第1曲「ゴンドラを漕ぐ女」
クアジ・アレグレット、
拍子 | 6/8拍子 |
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演奏時間 | 5:00~5:40 |
難易度 | 7(上級) |
第2曲「カンツォーネ」
レント・ドロローソ、2/4拍子
拍子 | 2/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 3:40~4:40 |
難易度 | 6(中級) |
第3曲「タランテラ」
プレスト
拍子 | 6/8拍子(2/4拍子) |
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演奏時間 | 8:00~9:10 |
難易度 | 8(上級) |
リスト 巡礼の年 第3年の難易度・解説
巡礼の年第3年の収録曲の演奏難易度は「中級~上級」ランクに属しています。
澄み切った空気の中、燦爛と光放つ噴水の光景を描いた「エステ荘の噴水」は「7(上級)」の難易度に分類されています。
第1曲「アンジェラス」
アンダンテ・ピエトーソ、6/8拍子
拍子 | 6/8拍子 |
---|---|
演奏時間 | 7:30~8:30 |
難易度 | 4(中級) |
第2曲「エステ荘の緑杉(第1)」
アンダンテ、3/4拍子
拍子 | 3/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 5:30~6:00 |
難易度 | 6(中級) |
第3曲「エステ荘の緑杉(第2)」
アンダンテ・ノントロッポ・レント、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
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演奏時間 | 8:30~9:50 |
難易度 | 6(中級) |
第4曲「エステ荘の噴水」
アレグレット、2/4拍子
イタリア ローマ郊外ティヴォリに位置するエステ荘で作曲された曲、
高音部で揺れ動く32分音符の音型は、煌めく水霧の広がりを映し出すかのようです。
美しくも控えめに奏される流麗なアルペジオは、後に低音部に移動し曲の高揚と共に存在感を強めます。
この高鳴りはピアニシモの指示で一旦落ち着きを見せますが、終局間際フォルテが返り咲き、伸びやかな和音の連なりで曲を締めくくります。
拍子 | 2/4拍子 |
---|---|
演奏時間 | 7:10~8:30 |
難易度 | 7(上級) |
第5曲「スント・ラクリマエ・レルム」
レント・アッサイ、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
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演奏時間 | 7:00~8:00 |
難易度 | 6(中級) |
第6曲「葬送行進曲」
アンダンテ・マエストーソ・フーネヴレ、4/4拍子
拍子 | 4/4拍子 |
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演奏時間 | 6:10~7:40 |
難易度 | 5(中級) |
第7曲「スルスム・コルダ」
アンダンテ・マエストーソ・ノントロッポ・レント、3/4拍子
拍子 | 3/4拍子 |
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演奏時間 | 3:20~4:00 |
難易度 | 6(中級) |
- 2025年5月6日、記事内容を更新