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ショパン 即興曲の難易度・解説

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ショパン 即興曲一覧

ショパンは人生に4つの即興曲を作曲しています。
もともとショパンは即興演奏を得意としており、ワルシャワやパリにて即興演奏の機会に恵まれたと記されています。
出版された4つの即興曲は1834年~1842年に作曲、ショパンが24歳から32歳の時に作られ、ショパンの曲の中で有名な「幻想即興曲」はこの作品の第4番に該当します。



曲名 調性 作品番号 難易度
即興曲 第1番 変イ長調 Op.29 7(上級)
即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36 7(上級)
即興曲 第3番 変ト長調 Op.51 7(上級)
即興曲 第4番「幻想即興曲」 嬰ハ短調 Op.66 7(上級)

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

ショパン 即興曲の難易度・解説

ショパンの4つの即興曲はすべて上級ランクに属します。
即興曲というだけあって音楽性の自由さを備えていますが、音色や形式は非常に緻密に作られています。
それぞれの曲、旋律・伴奏に急速な動きが必要とし、中間部で切り替わる情景では高い表現力が求められます。



即興曲 第1番 Op.29

この曲は1837年に作曲、ロボー伯爵令嬢に献呈、
1837年は恋人マリア・ヴォジンスカとの婚約が破談になった年でもあります。
作曲年の心情から悲哀な曲想かと思いきや、予想に反してに爽快さに溢れた曲に仕上がっています。
アレグロ・アッサイ 4/4拍子、3部形式で構成、
主部から細やかな音符が散りばめられ、煌びやかな旋律が鳴り響きます。
中間部にやや哀愁漂い美しい情景に浸った後、煌びやかな再現部に戻ります。

調性 変イ長調
拍子 4/4拍子
演奏時間 4:00~4:50
難易度 7(上級)

即興曲 第2番 Op.36

1839年に作曲、
アレグレット、4/4拍子、自由な3部形式、
4つの即興曲の中で最もスケールが大きく多彩な表情を見せる作品、
主部はやや抒情的でありながら夜想曲のような印象、中間部はマーチのような活気に溢れた曲調に転調し、最後は32分音符で連なる流麗なパッセージで曲を閉じます。

調性 嬰ヘ長調
拍子 4/4拍子
演奏時間 5:30~6:40
難易度 7(上級)

即興曲 第3番 Op.51

1842年作曲、エステルハージ伯爵夫人に献呈、
アレグロ・ヴィヴァーチェ、12/8拍子、3部形式で構成され、再現部は縮小して書かれています。
ジョルジュ・サンドという心の支えもあり、充実した生活の中で作曲された即興曲、落ち着きがあり優雅な曲想に仕上がっています

調性 変ト長調
拍子 12/8拍子
演奏時間 4:30~6:20
難易度 7(上級)

即興曲 第4番 Op.66「幻想即興曲」

「幻想即興曲」と名付けられたこの曲は、
ショパンの作品の中でも最も美しい音色を持ち、夢見心地な陶酔感を与えてくれる曲と言っても過言ではありません。
アレグロ アジタート 4/4拍子、3部形式で構成され、
リズムの異なる左手と右手が、魅惑的で幻想感のある世界を表現しています。
中間部は穏やかで甘美な調べが響き、ひと時の安らぎを与えてくれます。
流麗でありながらどこか儚さを備えたこの作品は1835年に作曲、
「幻想即興曲」の名は、弟子で友人のフォンタナが表題に添えられたものと記されています。

調性 嬰ハ短調
拍子 4/4拍子
演奏時間 4:40~5:20
難易度 7(上級)
  • 2024年9月3日、記事内容を更新