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ショパン エチュード(練習曲) の難易度・解説

ショパン エチュード top_002

ショパン エチュード(練習曲)一覧
ショパン エチュード(練習曲)Op.10 の難易度・解説
  エチュード(練習曲)Op.10-1
  エチュード(練習曲)Op.10-2
  エチュード(練習曲)Op.10-3「別れの曲」
  エチュード(練習曲)Op.10-4
  エチュード(練習曲)Op.10-5「黒鍵」
  エチュード(練習曲)Op.10-6
  エチュード(練習曲)Op.10-7
  エチュード(練習曲)Op.10-8
  エチュード(練習曲)Op.10-9
  エチュード(練習曲)Op.10-10
  エチュード(練習曲)Op.10-11
  エチュード(練習曲)Op.10-12「革命」
ショパン エチュード(練習曲)Op.25 の難易度・解説
  エチュード(練習曲)Op.25-1「エオリアンハープ」
  エチュード(練習曲)Op.25-2
  エチュード(練習曲)Op.25-3
  エチュード(練習曲)Op.25-4
  エチュード(練習曲)Op.25-5
  エチュード(練習曲)Op.25-6
  エチュード(練習曲)Op.25-7
  エチュード(練習曲)Op.25-8
  エチュード(練習曲)Op.25-9「蝶々」
  エチュード(練習曲)Op.25-10
  エチュード(練習曲)Op.25-11「木枯らし」
  エチュード(練習曲)Op.25-12「大洋」
ショパン 3つの新練習曲の難易度・解説
  新練習曲 第1番
  新練習曲 第2番
  新練習曲 第3番

ショパン エチュード(練習曲)一覧

ショパンのエチュードは1830年~1832年に作曲されたOp.10、1835年~1837年に作曲されたOp.25が存在します。
それぞれ12曲ずつ、各調性の練習曲が散りばめられています。
ショパンの有名曲である「別れの曲」や「革命」はOp.10に含まれ、Op.25には「木枯らし」や「大洋」などの難局が用意されています。

最後に1839年に作曲された新練習曲があります。
作品番号が付けられていませんが、3曲の小さな作品として出版されています。



【12のエチュード(練習曲) Op.10】

曲名 調性 作品番号 難易度
エチュード(練習曲) 第1番 ハ長調 Op.10-1 9(上級)
エチュード(練習曲) 第2番 イ短調 Op.10-2 8(上級)
エチュード(練習曲) 第3番「別れの曲」 ホ長調 Op.10-3 7(上級)
エチュード(練習曲) 第4番 嬰ハ短調 Op.10-4 8(上級)
エチュード(練習曲) 第5番「黒鍵」 変ト長調 Op.10-5 7(上級)
エチュード(練習曲) 第6番 変ホ短調 Op.10-6 7(上級)
エチュード(練習曲) 第7番 ハ長調 Op.10-7 7(上級)
エチュード(練習曲) 第8番 ヘ長調 Op.10-8 8(上級)
エチュード(練習曲) 第9番 ヘ短調 Op.10-9 6(中級)
エチュード(練習曲) 第10番 変イ長調 Op.10-10 7(上級)
エチュード(練習曲) 第11番 変ホ長調 Op.10-11 7(上級)
エチュード(練習曲) 第12番「革命」 ハ短調 Op.10-12 8(上級)

【12のエチュード(練習曲) Op.25】

曲名 調性 作品番号 難易度
エチュード(練習曲) 第1番「エオリアンハープ」 変イ長調 Op.25-1 6(中級)
エチュード(練習曲) 第2番 ヘ短調 Op.25-2 7(上級)
エチュード(練習曲) 第3番 ヘ長調 Op.25-3 7(上級)
エチュード(練習曲) 第4番 イ短調 Op.25-4 8(上級)
エチュード(練習曲) 第5番 ホ短調 Op.25-5 8(上級)
エチュード(練習曲) 第6番 嬰ト短調 Op.25-6 9(上級)
エチュード(練習曲) 第7番 嬰ハ短調 Op.25-7 7(上級)
エチュード(練習曲) 第8番 変ニ長調 Op.25-8 8(上級)
エチュード(練習曲) 第9番「蝶々」 変ト長調 Op.25-9 7(上級)
エチュード(練習曲) 第10番 ロ短調 Op.25-10 9(上級)
エチュード(練習曲) 第11番「木枯らし」 イ短調 Op.25-11 9(上級)
エチュード(練習曲) 第12番「大洋」 ハ短調 Op.25-12 8(上級)

【3つの新練習曲】

曲名 調性 作品番号 難易度
エチュード(練習曲) 第1番 ヘ短調 6(中級)
エチュード(練習曲) 第2番 変イ長調 7(上級)
エチュード(練習曲) 第3番 変ニ長調 6(中級)

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。



ショパン エチュード(練習曲)Op.10の難易度・解説

ショパンが23歳の時に作曲した初の練習曲、フランツリストに献呈。

エチュード(練習曲)第1番 Op.10-1

アレグロ、4/4拍子、ハ長調、
4オクターブを超える幅の分散和音が華麗に繰り広げられる。
練習曲の序章として相応しい気品と風格を備えた1曲です。

調性 ハ長調
拍子 4/4拍子
演奏時間 1:50~2:10
難易度 9(上級)

エチュード(練習曲)第2番 Op.10-2

アレグロ 4/4拍子 3部形式
右手3,4,5の運指で半音階の旋律を奏でながら、1拍毎に1,2の運指が和音を響かせる。
指の交差が求められる半音階的練習曲である。軽快で繊細な音作りと共に何度の高い技巧が求められます。

調性 イ短調
拍子 4/4拍子
演奏時間 1:20~1:40
難易度 8(上級)

エチュード(練習曲)第3番 Op.10-3「別れの曲」

レント・マ・ノン・トロッポ 2/4拍子、3部形式
冒頭から甘く美しい旋律が鳴り響く、どこか切なさと悲哀の念を思わせるこの音色は中間部には一変、悲しみと怒りの感情が弾け飛んだような激しい和音の打鍵が続きます。
中間部の発散の後は、再び甘美な旋律に身を委ね、優しく消え入るように曲を閉じます。

調性 ホ長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 3:40~4:20
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第4番 Op.10-4

プレスト 4/4拍子 3部形式
16分音符による急速で激烈なパッセージが冒頭から終りまで休みなく続きます、
スタッカートによる変化が要求され、さらにコーダでは激しい左手の跳躍が曲の難易度を上げています。

調性 嬰ハ短調
拍子 4/4拍子
演奏時間 1:50~2:10
難易度 8(上級)

エチュード(練習曲)第5番 Op.10-5「黒鍵」

ヴィヴァーチェ、2/4拍子、3部形式
右手のメロディの多くが黒鍵で演奏されます。機敏で軽快、サロン風な遊び心を備えた印象も感じられます。

調性 変ト長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 1:30~1:50
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第6番 Op.10-6

アンダンテ、6/8拍子、3部形式、
憂いた物寂しさを感じさせる曲調、バッハの多声音楽のように3声が絡み合う構成。
3声の特性を使い分けながら弾く絶妙な技術が求められます。

調性 変ホ短調
拍子 6/8拍子
演奏時間 2:30~4:00
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第7番 Op.10-7

ヴィヴァーチェ、6/8拍子、3部形式、
16分音符の重音の連続レガートで鳴り響く右手に対して、左手が対旋律を奏でる。
左手の弱拍・スタッカートがリズミカルな曲にゼる妙なアクセントを与えています。

調性 ハ長調
拍子 6/8拍子
演奏時間 1:20~1:40
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第8番 Op.10-8

アレグロ、4/4拍子
主に右手のための練習曲、1指または5指が大きく離れる運指が要求され手首の柔軟性を必要とします。
軽やかで輝かしいパッセージが魅力的。

調性 ヘ長調
拍子 4/4拍子
演奏時間 2:20~2:40
難易度 8(上級)

エチュード(練習曲)第9番 Op.10-9

アレグロ・モルト・アジタート 6/8拍子、A⇒B⇒A⇒B⇒コーダの形式で構成。
鬱蒼とした不気味さが漂う曲調、左手は広いポジションで同じような伴奏を繰り返し、右手はとぎれるような悲しみの旋律を響かせます。
難易度は6(中級)に属しており、ショパンのエチュードの中では最も難易度の低い曲に当たります。

調性 ヘ短調
拍子 6/8拍子
演奏時間 2:00~2:20
難易度 6(中級)

エチュード(練習曲)第10番 Op.10-10

ヴィヴァーチェ・アッサイ、12/8拍子、3部形式
まるでリズムを楽しむような喜びと活力に満ちた曲、
アクセントとアーティキュレーションに重点を置かれたエチュードです。

調性 変イ長調
拍子 12/8拍子
演奏時間 ~5:40
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第11番 Op.10-11

アレグレット、3/4拍子、3部形式
大きく広がる和音をアルペジオで奏でる練習曲、内声部を補うために手首を大きく振るう必要がある。
手首の柔軟性が要求される難曲です。

調性 変ホ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 2:10~2:30
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第12番 Op.10-12「革命」

アレグロ・コン・フオーコ、4/4拍子、3部形式
1831年、ワルシャワがロシアに占領された知らせを受けたショパンが、不安と怒りの心持で書かれた曲と言われています。運指は激しく、極めて情熱的曲想、差し迫る敵意と、鬼気迫るような迫力、最後は予想外の転調で締めくくられます。

調性 ハ短調
拍子 4/4拍子
演奏時間 2:30~2:50
難易度 8(上級)

ショパン エチュード(練習曲)Op.25の難易度・解説

エチュード Op.25は1835年~1837年に作曲、ショパンが27歳の時に完成しています。ダグー伯爵夫人に献呈された作品。



エチュード(練習曲)第1番 Op.25-1「エオリアンハープ」

アレグロ・ソステヌート 4/4拍子、3部形式
導入から温かく響き渡る分散和音の波の中、夢見るような美しい旋律が浮かび上がります。中間部はわずかに切ない表情と感情の起伏を見せますが、終始絶えることなく美しい分散和音が続きます。シューマンはこの曲を甚く気に入り「これの曲は練習曲の域を超え、ひとつの詩として成り立っている」と絶賛しています。

調性 変イ長調
拍子 4/4拍子
演奏時間 1:50~2:20
難易度 6(中級)

エチュード(練習曲)第2番 Op.25-2

プレスト、2/2拍子、3部形式
右手の旋律は8分音符の3連符、左手の伴奏は4分音符による3連符、
左右が異なるリズムがプレストの速さで進行する難曲です。
繊細に響き渡る旋律は美しく、シューマンはこの曲を「子供がまどろみながら歌う、夢のような儚さと美しさを持っている」と表現しています。

調性 ヘ短調
拍子 2/2拍子
演奏時間 1:20~1:40
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第3番 Op.25-3

アレグロ、3/4拍子、3部形式
軽やかな曲調で、まるで小動物たちが楽しげに飛び跳ねるような情景が浮かびます。
ただし技術的には非常に難解、3種類のリズムを同時に弾きつつ、素早いポジション移動が求められる。アクセント・アーティキュレーションの変化なども課題とされる練習曲。

調性 ヘ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 1:40~2:00
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第4番 Op.25-4

アジタート、2/2拍子、3部形式
軽やかなテンポと妖艶な旋律が響き渡る楽曲、
短くまとめられ、容易な曲に見られがちな曲ですが中々の難曲、
右手のスタッカートの旋律を形づくる和音が弱拍に置かれ、さらに内声を短く奏しながら同時に外声のレガートを実現しなければならない。
鍵盤のタッチを鍛えるための練習曲と言えます。

調性 イ短調
拍子 2/2拍子
演奏時間 1:30~1:50
難易度 8(上級)

エチュード(練習曲)第5番 Op.25-5

ヴィヴァーチェ、3/4拍子、3部形式
逆付点のリズムで進むスケルツォ風の主題、中間部で響く和声は内声の旋律と重なり美しく華麗な情景を描きます。ショパンらしい分散和音による煌びやかな旋律が魅力的な曲です。

調性 ホ短調
拍子 3/4拍子
演奏時間 2:50~3:30
難易度 8(上級)

エチュード(練習曲)第6番 Op.25-6

アレグロ、2/2拍子、3部形式
「3度のエチュード」として知られるショパン最難関の曲、
吹雪が舞うような冷たく幻想的な情景が広がります。流麗に流れる右手の旋律に乗せて、左手の重音を歌わせることができるかに焦点が置かれます。

調性 嬰ト短調
拍子 2/2拍子
演奏時間 1:50~2:10
難易度 9(上級)

エチュード(練習曲)第7番 Op.25-7

レント、3/4拍子、3部形式
主旋律は左手が担い何とも物悲しい旋律が響き渡り、内声を歌う右手が抒情的な要素を強めます。
中間部は堂々と鳴り響くクレッシェンドのパッセージ、主部の沈静と中間部の激動の対比が見事な効果を生み出しています。

調性 嬰ハ短調
拍子 3/4拍子
演奏時間 4:50~5:50
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第8番 Op.25-8

ヴィヴァーチェ、2/2拍子、3部形式
「6度のエチュード」として知られる練習曲、曲調はリズミカルで楽しげに鳴り響きますが、6度の音型が連続する右手の運指は非常に難解です。

調性 変ニ長調
拍子 2/2拍子
演奏時間 1:00~1:20
難易度 8(上級)

エチュード(練習曲)第9番 Op.25-9「蝶々」

アレグロ・アッサイ、2/4拍子、3部形式
冒頭から続く軽やかな旋律が、蝶々の羽ばたきを連想することから「蝶々」の表題がついています。
右手の1,2指は常に拡張状態を保ち、スタッカートとレガートが交錯する中、オクターブの正確さと軽やかなタッチが求められます。

調性 変ト長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 0:50~1:10
難易度 7(上級)

エチュード(練習曲)第10番 Op.25-10

アレグロ・コン・フオーコ、2/2拍子、3部形式
展開部と再現部において鳴り響く、クレッシェンドで力強く進行するオクターブは不安や怒りの感情を彷彿させるようです。一方、中間部は心が洗われるような美しい慰めの旋律。
練習曲の課題意図としては両手のオクターブに重点が置かれていますが、中間部との対比も意識したい曲です。

調性 ロ短調
拍子 2/2拍子
演奏時間 3:50~4:40
難易度 9(上級)

エチュード(練習曲)第11番 Op.25-11「木枯らし」

レント-アレグロ・コン・ブリオ 4/4拍子、3部形式、

レントで奏でる4小節の導入の後、力強い和音と半音階で急激に下降するパッセージが響き渡ります。
休むことなく終始連なる右手の旋律は壮麗で美しく、表題の通り吹き抜ける「木枯らし」を連想させます。

調性 イ短調
拍子 2/2拍子
演奏時間 3:30~4:00
難易度 9(上級)

エチュード(練習曲)第12番 Op.25-12「大洋」

モルト・アレグロ・コン・フオーコ、2/2拍子、3部形式、
練習曲の終局に相応しいスケールの大きな曲、
両手で展開されるダイナミックな分散和音、大波を表現するようなクレッシェンドが迫力を与え、大きな唸りをあげる。繰り返される旋律のアクセントは度々位置を変え、様々な表情を見せます。

調性 ハ短調
拍子 2/2拍子
演奏時間 2:30~3:00
難易度 8(上級)

ショパン 3つの新練習曲の難易度・解説の難易度・解説

新練習曲はモーシェレスとフェティス編集の練習曲集に組み込まれた作品。
Op.10やOp.25ほど難曲はなく、比較的短い3曲で成り立ちます。



新練習曲 第1番

アンダンティーノ、2/2拍子
暗闇の中を彷徨うような不気味な旋律、2拍子の左手に対して、3連音符の右手が異なるリズムで重なります。
儚げな旋律は終始留まることなく鳴り続けます。

調性 ヘ短調
拍子 2/2拍子
演奏時間 1:40~2:00
難易度 6(中級)

新練習曲 第2番

アレグレット、2/4拍子、3部形式
どこか牧歌的な雰囲気を匂わせながら、右手の和声が主旋律として鳴り響きます。
第1番のリズムと同様、2拍子の伴奏に3連音符の旋律が絡み合います。

調性 変イ長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 1:30~1:50
難易度 7(上級)

新練習曲 第3番

アレグレット、3/4拍子、
スタッカートで始まる内声、主旋律の外声はレガートで奏られる。
声部を巧みに弾き分ける技術が要求される練習曲です。

調性 変ニ長調
拍子 3/4拍子
演奏時間 1:20~1:40
難易度 6(中級)
  • 2024年9月3日、記事内容を更新