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ベートーヴェン ピアノ小品「エリーゼのために」他、難易度・解説

ベートーヴェン ピアノ小品集_000

ベートーヴェン ピアノ小品一覧

曲名 調性 作品番号 難易度
バガテル「エリーゼのために」 イ短調 WoO.59 3(初級)
6つのエコセーズ 変ホ長調 WoO.83 4(中級)
ロンド ハ長調 Op.51-1 4(中級)
ロンド ト長調 Op.51-2 6(中級)
アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO.57 6(中級)
ロンド・ア・カプリッチョ「失われた小銭への怒り」 ト長調 Op.129 7(上級)

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。



ベートーヴェン ピアノ小品の難易度・解説

バガテル「エリーゼのために」 WoO.59

ポコ・モート、3/8拍子、ロンド形式
冒頭の旋律はあまりに有名、誰もがどこかで耳にしたことがある可憐な音色が響きます。
曲の中で冒頭の旋律が何度も反復されますが、途中リズミカルで活気あふれる旋律と、忍び寄る影のような短調の旋律がドラマティックに展開されます。切なさ・楽しさ・不安といった様々な表情が現れる楽曲です。
この作品はテレーゼ・マルファッティのために書かれたと言われていますが、
タイトルと贈り主の名前が異なるのは、自筆譜に書かれた「テレーゼ」の文字が「エリーゼ」と誤って読まれたものと考えられています。

調性 イ短調
拍子 3/8拍子
演奏時間 3:00~3:30
難易度 3(初級)



6つのエコセーズ WoO.83

1823年に作曲された曲、エコセーズはもともとスコットランドで生まれた3拍子の舞曲、これがヨーロッパに入ってきた後に2拍子の活発な楽曲に変化することになります。
ベートーヴェンはこの形式をいたく気に入り、生涯多数のエコセーズを手掛けています。
この楽曲は快活な6つの舞曲が収められた短編集のエコセーズとなります。

調性 変ホ長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 2:00~2:30
難易度 4(中級)

ロンド Op.51-1

Op.51-1のロンドは1796年~1797年に作曲されたもの、
主題は優しく包みこむような柔らかなメロディが印象的、雷に打たれるような劇的な情景を挟み、
構造的には古典的なロンド形式「A-B-A-C-A-A-コーダ」という流れで進行します。
ソナチネアルバムにも収録されており、ピアノ学習者にとってなじみの深い作品となっています。

調性 ハ長調
拍子 2/2拍子
演奏時間 5:20~6:30
難易度 4(中級)

ロンド Op.51-2

アンダンテ・カンタービレ、2/4拍子、「A⇒B⇒A’⇒コーダ」のロンド形式
Op.51-1と比べると規模が大きく、変奏技法が多数盛り込まれています。
エンリエッテ・フォン・リヒノフスキーに献呈されています。

調性 ト長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 8:30~9:20
難易度 6(中級)

アンダンテ・ファヴォリ WoO.57

この曲は本来ピアノソナタ21番「ワルトシュタイン」の第2楽章のために作曲されたものです。
しかしソナタの規模・構成を考慮したところ、この曲を第2楽章に組み込むには適していないと判断し、ベートーヴェン自身がピアノソナタから除外したと伝えられています。
この曲自体は1803年~1804年に作曲されていますが、ワルトシュタインが完成した後、1807年にアンダンテ・ファヴォリという名称でこの曲は発表されています。

調性 ヘ長調
拍子 3/8拍子
演奏時間 8:00~8:30
難易度 6(中級)

ロンド・ア・カプリッチョ「失われた小銭への怒り」 Op.129

このロンド・ア・カプリッチョは「失われた小銭への怒り」の表題で知られていますが、ベートーヴェンが残した実譜面には「奇想曲のようなハンガリー風ロンド」と記載されていました。作曲年はベートーヴェンの晩年1827年前後と考えられていましたが、近年は1795年~1798年頃に作曲された説が有力となっています。
ベートーヴェン死後に発見された自筆譜は伴奏部分が未完成となっており、発表された楽譜は作者以外に補筆されたものとされています。

調性 ト長調
拍子 2/4拍子
演奏時間 5:30~6:30
難易度 7(上級)
  • 2024年9月3日、記事内容を更新