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バッハ 6つのパルティータの難易度・解説

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バッハ パルティータの楽曲一覧

バッハのパルティータは6つの楽曲で構成、代表的な舞曲的作品「フランス組曲」「イギリス組曲」よりも後の1726年~1731年に作曲されています。
パルティータも一つの舞曲的作品として扱われていますが、ブルレスカやスケルツォ、カプリッチョなどフランス・イギリス組曲では登場しなかった構成を取り入れおり、舞曲的要素にこだわらない自由さが見られます。

曲名 調性 作品番号 難易度
パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV.825 6(中級)
パルティータ 第2番 ハ短調 BWV.826 7(上級)
パルティータ 第3番 イ短調 BWV.827 6(中級)
パルティータ 第4番 ニ長調 BWV.828 7(上級)
パルティータ 第5番 ト長調 BWV.829 6(中級)
パルティータ 第6番 ホ短調 BWV.830 7(上級)

※1:難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。



バッハ パルティータの難易度・解説

バッハのパルティータの演奏難易度は「中級~上級」ランクに分類され
第1番・第3番・第5番が「6(中級)」、第2番・第4番・第6番が「7(上級)」として扱われます。

パルティータ 第1番 BWV.825

プレルーディウム、アルマンド、コッレンテ、サラバンド、メヌエット、ジーグと古典組曲の構成に従い組み立てられ、各楽章では舞曲としての性格を忠実に表現しています。
全体的におおらかで、イタリア風の様式が色濃く表現されています。厳格で重々しい要素は抑えられています。

調性 変ロ長調
拍子 4/4拍子(プレルーディウム)
4/4拍子(アルマンド)
3/4拍子(コッレンテ)
3/4拍子(サラバンド)
3/4拍子(メヌエット1・2)
4/4拍子(ジーグ)
目安演奏時間 12:30~18:00
難易度 6(中級)

パルティータ 第2番 BWV.826

第1楽章は前奏曲の題材を用いずシンフォニアとして書かれています。悲痛の叫びを訴えるような旋律から始まり、感傷的な旋律と共にテンポは徐々に加速、軽妙なリズムで対位法的に進みます。
ドラマティックで迫力ある第1楽章の後は、定型のアルマンド・クーラント・サラバンドの構成が続きます。神秘的でありながら悲壮感を漂わせる曲想が印象的。3/8拍子のロンドーでテンポを上げながら、劇的でエネルギー溢れる最終章カプリッチョに移ります。最終章にジーグではなくカプリッチョを配置する構成も既存の作風とは異なる点として注目されています。

調性 ハ短調
拍子 4/4拍子(シンフォニア)
2/2拍子(アルマンド)
3/2拍子(クーラント)
3/4拍子(サラバンド)
3/8拍子(ロンドー)
2/4拍子(カプリッチョ)
目安演奏時間 16:30~19:00
難易度 7(上級)

パルティータ 第3番 BWV.827

このパルティータは幻想感あふれるファンタジアから始まり、やや厳格さを帯びたアルマンドに繋ぎます。
全体的にスリムでデリケートな音型をたどり、静寂の中に響く趣が感じられます。
舞曲としての題材とは異なるブルレスカ、スケルツォが用いられる点も特徴的。これらの楽章では舞踊の型を外すことにより、最後のジーグの典雅な舞曲の様子を強く際立たせることに成功しています。

調性 イ短調
拍子 3/8拍子(ファンタジア)
4/4拍子(アルマンド)
3/4拍子(コッレンテ)
3/4拍子(サラバンド)
3/4拍子(ブルレスカ)
2/4拍子(スケルツォ)
12/8拍子(ジーグ)
目安演奏時間 10:00~16:00
難易度 6(中級)

パルティータ 第4番 BWV.828

パルティータの中で最も長大な作品で、フランス、イタリア様式の様々な書式が散りばめられています。
第1楽章は典型的なフランス序曲であるウヴェルチュールで始まり、優雅で格式高い印象を与えます。
後に繋ぐアルマンド・アリア・サラバンドはイタリアスタイルが反映されており、曲全体の中間に位置するアリアは軽快でとりわけ明朗な響きが特徴、前後の楽章との対比をうまく強調し曲の抑揚をうまく引き出しています。

調性 ニ長調
拍子 4/4拍子(ウヴェルチュール)
4/4拍子(アルマンド)
3/2拍子(クーラント)
2/4拍子(アリア)
3/4拍子(サラバンド)
3/4拍子(メヌエット)
9/16拍子(ジーグ)
目安演奏時間 20:00~28:00
難易度 7(上級)

パルティータ 第5番 BWV.829

ト長調による明朗で軽快な楽想から始まります。全体的に明るい楽章が並びますが、それぞれに異なる技巧・特色が散りばめられ、楽章毎の対比が最も明確に現れたパルティータと言えます。
最終楽章の前に置かれる「パスピエ」は、快活で急ぎ足で進む3/8拍子の舞曲、ブルターニュ地方発祥のバレエ音楽として親しまれています。このイギリス組曲第5番でも用いられますが、パルティータの中では唯一採用されている楽想です。

調性 ト長調
拍子 3/4拍子(プレアンブルム)
4/4拍子(アルマンド)
3/8拍子(コッレンテ)
3/4拍子(サラバンド)
3/4拍子(テンポ・ディ・メヌエット)
3/8拍子(パスピエ)
6/8拍子(ジーグ)
目安演奏時間 11:00~16:00
難易度 6(中級)

パルティータ 第6番 BWV.830

第1楽章のトッカータは幻想的でありながらも訴えかけるような厳格な響きが印象的、さらに第5楽章のサラバンドも重く沈み込んだ印象が強く、感傷的な性格を色濃く押し出しています。
終曲のジーグはフーガの形式でドラマティックに曲を締めくくります。曲全体の規模が大きくパルティータを最後を飾るにふさわしい壮大な作品に仕上がっています。

調性 ホ短調
拍子 2/2拍子(トッカータ)
4/4拍子(アルマンド)
3/8拍子(コッレンテ)
2/2拍子(アリア)
3/4拍子(サラバンド)
2/2拍子(テンポ・デュ・ガヴォッタ)
4/2拍子(ジーグ)
目安演奏時間 18:00~30:00
難易度 7(上級)
  • 2024年11月14日、記事内容を更新