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バッハ 「イタリア協奏曲」「フランス風序曲」の難易度・解説

バッハ イタリア協奏曲・フランス風序曲 top_001



バッハ クラヴィーア練習曲集 第2巻

1735年に出版されたバッハのクラヴィーア曲集第2巻には「フランス風序曲」と「イタリア協奏曲」の2つの曲が収録されています。
「フランス風序曲」は序曲と8通りの舞曲で構成されたバロック様式の作品。
「イタリア協奏曲」は名称からオーケストラとの独奏楽器の協演楽曲と思われがちですが、この曲はピアノ独奏曲として書かれています。これはバッハが「オーケストラと独奏」それぞれの利点を一台のチェンバロで表現しようと考え誕生した作品で、オーケストラの華やかな響きと、独奏楽器の繊細な音色を表現する2通りの楽節が配置されています。

曲名 調性 作品番号 難易度
フランス風序曲 ロ短調 BWV.831 7(上級)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 7(上級)

※1:難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。
※2:上表、イタリア協奏曲の調性は、第1楽章の調性を記載しています。

バッハ クラヴィーア練習曲集 第2巻の難易度・解説

バッハの「フランス風序曲」「イタリア協奏曲」の難易度は「7(上級)」と高く、上級奏者向けの楽譜として扱われています。



フランス風序曲 BWV.831

冒頭から厳粛かつ荘重な音色が響き渡ります。対位法的に展開されるフガートを経て再び冒頭に戻ります。これらの流れが一つの序曲(ウーヴェルチュール)として配置され、後に8つの異なる舞曲が続きます。

調性 ロ短調(ウーヴェルチュール)
ロ短調(クーラント)
ロ短調(ガヴォットⅠ)
ニ長調(ガヴォットⅡ)
ニ長調(パスピエⅠ)
ロ長調(パスピエⅡ)
ロ短調(サラバンド)
ロ短調(ブーレⅠ)
ロ短調(ブーレⅡ)
ロ短調(ジーグ)
ロ短調(エコー)
拍子 2/2拍子(ウーヴェルチュール)
3/2拍子(クーラント)
2/2拍子(ガヴォットⅠ)
2/2拍子(ガヴォットⅡ)
3/8拍子(パスピエⅠ)
3/8拍子(パスピエⅡ)
3/4拍子(サラバンド)
2/2拍子(ブーレⅠ)
2/2拍子(ブーレⅡ)
6/8拍子(ジーグ)
2/4拍子(エコー)
難易度 7(上級)

イタリア協奏曲 BWV.971

  • 第1楽章:ピアノの独奏曲でありながらもオーケストラ風に鳴り響く力強い主題を持ちます。この主題が曲中で繰り返すリトルネロ形式で組み立てられますが、反復の前に滑らかな独奏的な楽節が挟まれます。両者の対比が曲全体に鮮やかなコントラストをもたらし曲の立体感を高めています。
  • 第2楽章:涙を誘う繊細な音色、伴奏は終始同音型を刻み、情緒ある旋律を支えます。
  • 第3楽章:第1楽章と同様オーケストラ風な主題と、対照的な独奏楽節を交互に奏でられます。プレストの速度で勢いを増し、第1楽章よりエネルギッシュな演奏効果を生み出しています。
作曲年 1734年
調性 ヘ長調(第1楽章)
ニ短調(第2楽章)
ヘ長調(第3楽章)
拍子 2/4拍子(第1楽章)
3/4拍子(第2楽章)
2/2拍子(第3楽章)
演奏時間 3:30~4:10(第1楽章)
4:40~6:00(第2楽章)
3:20~4:10(第3楽章)
難易度 7(上級)
  • 2025年1月2日、記事内容を更新