シューマン「3つのロマンス Op.28」の難易度・解説
3つのロマンス 第1番 Op.28-1
3つのロマンス 第2番 Op.28-2
3つのロマンス 第3番 Op.28-3
シューマン「3つのロマンス Op.28」の楽曲一覧
シューマンの「3つのロマンス Op.28」は1838年~1839年に作曲された作品、ハインリヒ2世、ロイス=ケストリッツ伯に献呈されています。第1番~第3番それぞれが持つ情感は全く異なりますが、曲の中間部や間奏曲には、ロマンスという表題が示す通り、愛を想起させるような甘美な旋律が添えられています。
曲名 | 調性 | 作品番号 | 難易度 |
---|---|---|---|
3つのロマンス 第1番 | 変ロ短調 | Op.28-1 | 7(上級) |
3つのロマンス 第2番 | 嬰ヘ長調 | Op.28-2 | 5(中級) |
3つのロマンス 第3番 | ロ長調 | Op.28-3 | 7(上級) |
※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。
シューマン「3つのロマンス Op.28」の難易度・解説
シューマンの「3つのロマンス Op.28」は中級者および上級者向けの楽曲となっています。
激情的な表現を避け、比較的穏やかなテンポで奏される第2番は「5(中級)」の難易度に分類。
対照的にやや速めのテンポで劇的な表情を見せる第1番と第3番は「7(上級)」の難易度に設定されています。
3つのロマンス 第1番 Op.28-1
Sehr markiert(きわめてはっきりと)、2/4拍子
変ロ短調で始まる主部は強い気迫と情熱がこもった楽想、荒ぶる波のような伴奏が特徴で、強弱を際立たせるためにsf(スフォルツァンド)が多用されます。中間部は嬰ヘ長調に移り、p(ピアノ)の指示で微かな沈静を見せ、ロマンティックな心情が歌われます。
調性 | 変ロ短調 |
---|---|
拍子 | 2/4拍子 |
演奏時間 | 3:30~3:50 |
難易度 | 7(上級) |
3つのロマンス 第2番 Op.28-2
Einfach(簡明に)、6/8拍子
温かく慈愛に満ちた旋律が特徴、楽譜は3段の様式で書かれ、中声部から高音部と幅広い音色を響かせます。
中間部ではメロディが高音に移り、厚みあるオクターブの伴奏が加わります。
調性 | 嬰ヘ長調 |
---|---|
拍子 | 6/8拍子 |
演奏時間 | 3:10~4:00 |
難易度 | 5(中級) |
3つのロマンス 第3番 Op.28-3
Sehr markiert(きわめてはっきりと)、2/4拍子
3つのロマンスの中で最も長大な楽曲、きびきびと奏される潔い主題は、後続でテンポを上げ艶やかな旋律を奏でます。曲全体としてはこの主題を基軸に2つの間奏曲を挟みながら進行します。
第1の間奏曲は非常に軽やかで、舞のような颯爽とした動きを見せます。そして第2の間奏曲はロマンスの名に相応しい、情緒豊かな甘い旋律が歌われます。
調性 | ロ長調 |
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拍子 | 2/4拍子 |
演奏時間 | 7:00~8:00 |
難易度 | 7(上級) |
- 2025年5月8日、記事内容を更新