ムソルグスキー「展覧会の絵」の難易度・解説
プロムナード
小人(グノムス)
古城
テュイルリーの庭
ビドロ(牛車)
卵の殻をつけた雛の踊り
サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
リモージュの市場
カタコンベ(ローマ時代の墓)
鶏の足の上に建つ小屋(バーバーヤガー)
キエフの大門
ムソルグスキー「展覧会の絵」の楽曲一覧
組曲「展覧会の絵」はムソルグスキーのピアノ曲の中で、最も長大で個性が発揮された作品と言えます。
組曲は10曲で構成され、プロムナードを挟みながら、情景描写に富んだ楽曲が展開されます。映し出す描写は日常の光景から、空想世界の風物まで様々、終局は壮大で迫力に満ちた「キエフの大門」の全景で曲を締めくくります。
曲名 | 調性 | 難易度 |
---|---|---|
プロムナード | 変ロ長調 | - |
小人(グノムス) | 変ホ短調 | 7(上級) |
古城 | 嬰ト短調 | 5(中級) |
テュイルリーの庭 | ロ長調 | 6(中級) |
ビドロ(牛車) | 嬰ト短調 | 5(中級) |
卵の殻をつけた雛の踊り | ヘ長調 | 7(上級) |
サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ | 変ロ短調 | 6(中級) |
リモージュの市場 | 変ホ長調 | 8(上級) |
カタコンベ(ローマ時代の墓) | イ短調 | 4(中級) |
鶏の足の上に建つ小屋(バーバーヤガー) | ハ長調 | 7(上級) |
キエフの大門 | 変ホ長調 | 7(上級) |
※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。
ムソルグスキー「展覧会の絵」の難易度・解説
ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』の演奏難易度は『中級~上級ランク』に属しています。
重厚な和音と共に不気味な世界を描く「カタコンベ(ローマ時代の墓)」は「4(中級)」、小刻みなリズムで人々の活気を表現した「リモージュの市場」は「8(上級)」の難易度に分類されています。
プロムナード
アレグロ・ジュスト、5/4拍子
素朴でありながらも、地に足の着いた力強い旋律、この主題は形を変えながら幾度と姿を現し、各曲をエスコートします。
調性 | 変ロ長調 |
---|---|
拍子 | 5/4拍子 |
目安演奏時間 | 1:10~1:40 |
小人(グノムス)
ヴィーヴォ、3/4拍子
グノムスとは地底の宝を守る小人のこと、その姿は陰鬱で奇異なもの、その様子を緊張感漂う、おどろおどろしい旋律と共に表現しています。
調性 | 変ホ短調 |
---|---|
拍子 | 3/4拍子 |
目安演奏時間 | 2:20~2:50 |
難易度 | 7(上級) |
古城
アンダンテ・モルト・カンタービレ・エ・コン・ドローレ、6/8拍子
持続低音の伴奏の上に、やるせない静かな旋律が奏でられます。この楽曲は荒れ果てた城の前で歌う吟遊詩人の様子を描いています。
調性 | 嬰ト短調 |
---|---|
拍子 | 6/8拍子 |
目安演奏時間 | 3:50~4:30 |
難易度 | 5(中級) |
テュイルリーの庭
アレグレット・ノン・トロッポ・カプリチョーソ、4/4拍子
パリ市民の憩いの場であるテュイルリー公園、ドタバタ感が否めない主題は、公園で起こった子供たちの喧嘩の様子を表現しています。
調性 | ロ長調 |
---|---|
拍子 | 4/4拍子 |
目安演奏時間 | 0:50~1:10 |
難易度 | 6(中級) |
ビドロ(牛車)
センブレ・モデラート・ペザンテ、2/4拍子
ポーランドにおける牛車を示すビドロ、重々しい伴奏と不安に満ちた旋律、
のっそりとした動きは、いかにも牛と荷車といった動きを想像させますが、ムソルグスキー自身の手記でこの曲に荷車の描写は行わないと綴った記録が残されています。
調性 | 嬰ト短調 |
---|---|
拍子 | 2/4拍子 |
目安演奏時間 | 2:10~3:00 |
難易度 | 5(中級) |
卵の殻をつけた雛の踊り
スケルツィーノ ヴィーヴォ・レッジエーロ、2/4拍子
生まれたての雛鳥のおぼつかない様子を小刻みな音符で表現しています。
この曲はバレエ「トレルビ」の舞台衣装から着想を得たと言われています。
調性 | ヘ長調 |
---|---|
拍子 | 2/4拍子 |
目安演奏時間 | 1:10~1:20 |
難易度 | 7(上級) |
サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
アンダンテ、4/4拍子
富豪サムエル・ゴールデンベルクと、貧困に苦しむシュムイレの会話が描かれています。
低音部で響く重音はいかにも威圧的なサムエル・ゴールデンベルクの口調、後に響く小刻みな高音は委縮しながら訴えるシュムイレの声色が連想されます。
調性 | 変ロ短調 |
---|---|
拍子 | 4/4拍子 |
目安演奏時間 | 1:40~2:20 |
難易度 | 6(中級) |
リモージュの市場
アレグレット・ヴィーヴォ、センブレ・スケルツァンド、4/4拍子
焼き菓子で有名なフランス中部の町リモージュ、16分音符で刻まれる小刻みなリズムは賑やかな市場の活気を表現するかのようです。
調性 | 変ホ長調 |
---|---|
拍子 | 4/4拍子 |
目安演奏時間 | 1:10~1:30 |
難易度 | 8(上級) |
カタコンベ(ローマ時代の墓)
ラルゴ、3/4拍子
カタコンベとは、古代ローマ時代に築かれたキリスト教の共同墓地、
深く沈み込む和音が重い空気を生み出し、後半部にトレモロと共に響くプロムナードが霊妙で不気味な雰囲気を醸し出します。
調性 | イ短調 |
---|---|
拍子 | 3/4拍子 |
目安演奏時間 | 3:40~4:40 |
難易度 | 4(中級) |
鶏の足の上に建つ小屋(バーバーヤガー)
アレグロ・コン・ブリオ フェローチェ、2/4拍子
グロテスクな想像を掻き立てるタイトルは、ロシアの伝説上の妖婆バーバーヤガーが住む異質な建物を示しています。強烈な和音が激しく駆け回る様子が、人間離れした妖婆の迫力を力強く表現しています。
調性 | ハ長調 |
---|---|
拍子 | 2/4拍子 |
目安演奏時間 | 2:50~3:40 |
難易度 | 7(上級) |
キエフの大門
アレグロ・アラ・ブレーヴェ マエストーソ コン・グランデッツァ、4/4拍子
ムソルグスキーはキエフに建設されるアーチ状の大門の設計図から、この曲の着想を得たと伝えられています。
プロムナードの旋律を交えながら徐々に高揚し、激流のようなオクターブを起点とし、全身全霊のエネルギーを解放するような壮大なクライマックスに向かい、組曲の終焉を結びます。
『威圧感』『臨場感』『解放感』それぞれが重層的に連なり、独奏曲の中でも抜きんでた迫力を生み出しています。
調性 | 変ホ長調 |
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拍子 | 4/4拍子 |
目安演奏時間 | 4:40~5:20 |
難易度 | 7(上級) |
- 2025年4月2日、記事内容を更新