シューマン 交響的練習曲 Op.13の楽曲一覧

シューマンの「交響的練習曲Op.13」は1834年に作曲されたピアノ曲、
タイトルに添えられた「交響的」という語彙には、ピアノ独奏によるハーモニーの多層性と音響の迫力を極限まで追求するというシューマンの強い執念が込めらています。実際に完成した曲は、優美な曲想を持ちながらも重奏的で迫力に満ち、ピアノ表現の粋を尽くした名曲として称えられています。
この曲の楽譜は1837年、1852年、1893年と形を変えながら複数回出版されており、1837年の初版楽譜は主題と12の練習曲で構成されていますが、1852年の改訂版では練習曲3と練習曲9が除外され、終曲にも大きな修正が加わっています。さらにブラームスが監修した1893年の全集楽譜では12の練習曲にシューマン未発表の遺作を5曲追加した編成で製本されています。

次の表は、1837年初版の構成に基づき記載しています。

曲名	調性	難易度
交響的練習曲 主題	嬰ハ短調	9（上級）
交響的練習曲 練習曲1(第1変奏)
交響的練習曲 練習曲2(第2変奏)
交響的練習曲 練習曲3
交響的練習曲 練習曲4(第3変奏)
交響的練習曲 練習曲5(第4変奏)
交響的練習曲 練習曲6(第5変奏)
交響的練習曲 練習曲7(第6変奏)	ホ長調
交響的練習曲 練習曲8(第7変奏)	嬰ハ短調
交響的練習曲 練習曲9
交響的練習曲 練習曲10(第8変奏)
交響的練習曲 練習曲11(第9変奏)	嬰ト短調
交響的練習曲 練習曲12(終曲)	変ニ長調

※難易度は「G.Henle」の評価を参考にしています。

シューマン 交響的練習曲 Op.13の難易度・解説

シューマン作曲「交響的練習曲Op.13」のピアノ演奏難易度は最高ランクの「9（上級）」に分類されています。ピアノ独奏による表現力の限界に挑戦したこの曲は、ダイナミックな表現が多彩に盛り込まれており、高度な技巧が求められます。

交響的練習曲 主題

静かに下降する和音が威厳を持って奏されます。この音型はクレッシェンドの効果で力を強め、より重厚な響きをもって反復されます。

交響的練習曲 練習曲1(第1変奏)

スタッカートの効果で僅かに軽快感を示しますが、上下に揺れる音型は重音へと姿を変え、深く沈み込むような重苦しさと共に進行します。

交響的練習曲 練習曲2(第2変奏)

16分音符の連続音による伴奏の中、主題は低音部に移り重厚な響きを見せます。高音部には対旋律が添えられ、より豊かなハーモニーを生み出します。

交響的練習曲 練習曲3

交響的練習曲 練習曲4(第3変奏)

交響的練習曲 練習曲5(第4変奏)

交響的練習曲 練習曲6(第5変奏)

交響的練習曲 練習曲7(第6変奏)

交響的練習曲 練習曲8(第7変奏)

交響的練習曲 練習曲9

交響的練習曲 練習曲10(第8変奏)

交響的練習曲 練習曲11(第9変奏)

交響的練習曲 練習曲12(終曲)

• 2025年6月1日、記事内容を更新